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2013年4月21日付

【提言】TPPは知事のように楽観できるか

試算でも県内農林業に甚大な影響

 安倍内閣が13日、TPP(環太平洋連携協定)交渉参加に向けたアメリカとの事前協議に合意したことから、参加を断念させるたたかいは重大な局面を迎えています。

 TPPへの参加で本当に「国益」が守られるのでしょうか。日本共産党奈良県議団は、政府が2013年3月に公表した「関税撤廃した場合の政府統一試算」に基づいて県内の損失額を試算しました。それによると農林業の生産減少額が82億円、農地や森林が持つ「多面的機能」の喪失額560億円など、影響額が642億円にのぼることがわかりました(別表参照)。

農業・酪農は深刻な被害に

 県内農業のおもな産物は米や柿、イチゴなどの果樹、花き、牛乳・乳製品などです。試算では、その生産規模444億円の約18%、79億6000万円が減少します。なかでも28億円を生産する「牛乳・乳製品」は、政府の『試算の考え方』でも「都府県の飲用乳の大部分は北海道産に置き換わる」とされ、県内産牛乳や乳製品のほとんどが失われ、乳用牛3950頭を飼育する65戸の農家は壊滅的な打撃を受けると考えられます。
それにもかかわらず荒井県知事は、2月県議会で「特化した農産物生産が行われ、TPPの影響は他県と比較して少ない」と答弁しています。

 農業が持つ機能には、水田や畑が持つ貯水・洪水防止機能、かんがい用水を河川に安定的に放流する能力、農村地域への旅行で「保健休養・やすらぎ」を与える機能などがあります。こうした農業の「多面的機能」がTPPで失われます。その「喪失額」は、全国で1兆6000億円です。奈良県の耕地面積2万2500fに換算すると、「機能の喪失」試算額は78億4000万円です。

県土の77%占める森林機能の低下も

 奈良県の森林面積は28万4000fで、県土の77%を占めています。農業と同じように、森林も表層浸食・崩壊防止機能や水質浄化、二酸化炭素吸収などの機能を持っています。

林野庁の調べでは、機能の定量的評価額は70兆2638億円です。TPPによって林業生産が減少しても森林は残存しますが、森林機能は低下します。県内林業の減少率6%を森林機能の低下率に適用すれば、森林面積で換算した喪失額は481億9000万円に及びます。

命と暮らしを脅かし地域社会と経済壊す

 TPPへの参加で、食料自給率がカロリーベースで27%に下落します。県内の農業従事者3万7000人の69%が65歳以上です。政府も認めるように、TPPで18%も農業生産行為に影響を与えると想定するなら、これが離農のきっかけとなり、耕作放棄地3595f(放棄地率19%)がさらに拡大し、県土の荒廃は避けられません。

他方、6万5000人が従事し7300億円の市場規模を持つ医療・福祉分野でも、保険診療と保険外自由診療の混合診療の導入(現在は禁止)や、公的保険で使える薬価の高騰が進み、国民皆保険の根幹が壊されます。関連する産業の雇用が減少し、命と暮らしが脅かされ、地域社会と経済が壊されてしまいます。

 4月21日のTPPに反対する県民集会は、国民的共同を広げる絶好の機会です。集会を成功させ、政府にTPP参加を断念させましょう。


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