2001年3月14日
奈良県警察本部  御 中
奈良県公安委員会  御 中

県警と大手運送会社との癒着が指摘される不祥事件は、単に「個人の問題」として対処するのではなく、徹底捜査と厳正な処罰をおこない、全容を公表し、抜本的な再発防止策を確立するよう求める申し入れ

                         日本共産党奈良県委員会
                         日本共産党奈良県会議員団

 奈良県警交通部の 現職課長が、県内大手運送会社の関連会社から10年間におよび2000万円から2500万円もの給与名目の大金を受け取っていたことが疑われている。また 暴力団対策課の幹部は、携帯電話使用料、総額十数万円を運送会社に肩代わりしてもらっていたことが疑われている。また、県警幹部に国産高級車の供与をうけ た疑惑もある。報道では、県警は交通部幹部と暴力団対策課幹部について収賄容疑で、また県警OBの会社社長を贈賄容疑で書類送検を決めたとか、逮捕もない まま「疑問残し幕引き」などとされている。
 奈良県警察の不祥事、腐敗問題、人権侵害等の続発と、今回の事件への県警の対応に、県民の厳しい批判が寄せられている。
 今回の事件は、県警が自ら県警本部内を捜索するという前代未聞の事件であり、奈良県警交通課幹部と大手運送会社の癒着疑惑であり、警察官の収賄行為とい う重大な犯罪が疑われる事件であるにとどまらず、「暴力団との癒着」疑惑を含む組織的な癒着構造が指摘されている。単に「個人的な不祥事」と言って済ませ ることはできない。
 奈良県警は一昨年来の不祥事にあたって、そのたびに警察本部長が反省を繰り返しながらも、「個人の資質」の問題として個人を処分し、警察としては教育の 徹底で資質向上をはかると強調するのみであった。しかし、今回、明らかになった不祥事件は1991年初め頃からの約10年間にわたり多額の現金をうけとっ ていたのであり、先の不祥事件の際にも同時に進行していたことが判明している。不祥事件が繰り返されてきたという事態は、「個人の資質」にとどまらず「組 織の問題」であることを示している。ところがあくまで「個人の資質」として対処しようとしている奈良県警には自浄作用をまったく期待できないというべきで ある。
 これでは、警察が「個人の権利と自由を保護し、公共の安全と秩序を維持するため、民主的理念を基調とする警察」(警察法第1条)として法第2条に規定さ れた責務をまっとうすることができないことは明らかである。警察と公安委員会は、抜本的な改革に取り組まなければならない。
 よって、日本共産党は次の事項について実行されるよう申し入れ 。
                      記
  • 1 今回の事件では、事件が発覚してから、数カ月たっても一度も警察からの公式発表が行われていない。また県議会においても「調査中」というばかりで、具体的な説明は行われていない。県民無視の態度といわざるをえない。
      現段階で判明している事実を速やかに公表することを求める。
    2 県警察本部は多額の金銭の収賄容疑をかけられている警察官を逮捕せず、勤務させてきたというが、「証拠隠滅の防止」をはかるという捜査の常道に反する やり方であり、県警が本気で捜査を行っているのか、県警が県警を捜査することで本当に解明できるのかという県民の疑問が生じている。
      容疑者とされている警察官の逮捕はもとより、徹底した捜査と調査を尽して組織的構造的な背景の解明を行い、その全容を公表し、責任の所在を明確化することを求める。
    3 警察に外部チェックの機関が全くないことが、今の事態になっていることの原因となっている。外部監査態勢をつくり、公安委員会の警察からの独立をはかることを求める。
    〇 本来警察から独立して、個別の組織として警察を管理することになっている公安委員会が、その機能を果たすべきである。公安委員会としてもこの不祥事案について、厳正な調査をしてその内容と再発防止策を県民に公開すること。
    〇 公安委員会は公聴会を開催して、警察改革について広く県民の考えを聴取すること。
    〇 組織体質上の問題にまで踏み込んだ解明とともに、そのうえで、県民が納得できる実効ある再発防止策を確立することが必要である。そのために、警察、地 検当局とは別の立場で、県民に開かれた調査と対策確立のために、弁護士などを含む県民の参加する調査委員会を設置すること。
以 上


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