2001年4月24日

奈良県警腐敗 
もう許されぬ あいまい決着

                         2001年4月24日 
しんぶん「赤旗」主張

 奈良地検から収賄容疑で自宅の捜索をうけた奈良県警の元警視が焼身自殺しました。元警視は奈良佐川急便から十年間にわた り総額二千三百万円もの金を受け取っていました。事件はことし一月に発覚しましたが、奈良県警は証拠隠滅の恐れが強い収賄事件では常識とされている身柄の 拘束(逮捕)をせずに、「わいろ性を認定するに至らなかった」として元警視らを書類送検にしました。これにたいし、「身内に甘すぎる」とマスコミや世論の 厳しい批判が集中しました。

驚くべき無反省ぶり

 収賄側の中心人物の自殺によって贈賄側からの依頼の趣旨の特定など捜査に大きな影響が出てくる恐れがあります。逮捕せずに書類送検で済ませた奈良県警の重大な責任が、あらためてきびしく問われます。
 県警の無反省ぶりは驚くばかりです。
 奈良地検が県警の捜査は不十分との判断のもとに、あらためて関係先の捜索実施を決めたところ、県警が「合同実施」を申し入れ、捜索の着手が一日遅れまし た。県警本部は「捜索はあくまで合同。地検単独ではない」「県警の捜査が不十分で地検がやり直すわけではない」といいはっています。
 県警本部長は県民への謝罪の記者会見に同席しようとせず、県議会の答弁では「個人の資質」の問題だとして、再発防止のための教育の徹底を強調するだけでした。
 贈賄側の奈良佐川急便の元副社長(県警OB)は詐欺容疑で逮捕されました。免許書のコピーを借用するなどして、奈良県警の現職警察官十二人の名義で架空口座をつくり、一九九五年からの約一年半で総額五千万円以上の裏金をねん出していた疑いです。
 裏金は何に使われたのか。現職警察官らが見返りなしに運転免許証のコピーを渡していたとは考えられず、利益供与の疑いさえあります。ところが県警幹部は「警察官は名前を使われたただけで金は受け取っていない」「被害者だ」とまでのべています。
 県警に自浄能力がない以上、検察の役割は重要です。この間、県警の「身内のあまい」捜査手法を認めてきたことは検察にも責任があります。自宅の捜査と同時に元警視の逮捕に踏み切らなかったことなどは、県警への配慮を優先させたためのミスというべきです。
 元警視の自殺という困難を乗り越えて、贈収賄事件とこれに関連する疑惑の全容の解明はもとより、県警の腐敗構造の深部にも迫る捜査となるよう全力をあげるべきです。
 あいまいな決着をはかれば、検察を含む捜査機関全体にたいする国民の信頼は地に落ち、社会秩序と刑事司法の重大な危機を招くことになりかねません。県警 腐敗がここまで問われているのに、公安委員会の姿がまったく見えません。県議会で、県警の捜査は「身内に甘い」との県民の声にどうこたえるのかと日本共産 党議員に問われても、「(逮捕しなかったことは)専門家か゜捜査し、判断したもの。尊重する以外にない」と答弁するだけです。

国民の信頼どう回復

 県警いいなりり公安委員会がいかに無力か。神奈川県警、新潟県警などの腐敗事件を受けて、昨年警察法を改正したさい、肝心の公安委員会り警察からの独立や第三者による外部監察制度の導入などを見送った警察刷新会議の責任は重大です。
 警察行政の抜本的見直しなしに、国民の信頼回復などありえません

 

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