2007年6月24日

 提言
    
「消えた年金」問題は
      政府が責任をもって解決を

5千万件を超える年金記録が誰のものかは分からずに、受け取れるはずの年金がもらえないという事態が明らかになりました。その後もコンピューターに入力されていない記録が1430万件があったことも明らかになり、年金制度への不信感が高まっています。

  この問題は、1997年(平成9年)に当時の厚生省所管の社会保険庁が、公的年金の加入者全員に「基礎年金番号」を割り当てる制度を導入したことが発端です。年金番号の統合の際、氏名、性別、生年月日が一致しないと番号の統合ができないことを承知の上で実施しており、基礎年金番号に対応できない記録が存在することも十分承知していたことが明らかになっています。
 しかも、この問題解決に向けた抜本的な対策を取ることなく放置してきたため、膨大な量の年金記録が基礎年金番号に統合できず宙に浮いたままとなっているのです。


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 国民年金については、納付台帳の原本が市町村にあるのに、その多くが廃棄される事態まで起きています。政府は、こうした事態を招いていながら、基礎年金番号に統合するための立証責任を加入者に負わせ、過去の保険料納付記録のない人には年金の不払い・減額という措置をとっています。保険料の納付実績を立証した人に対しても、5年間の時効をたてに支払いを拒否しているのです。時効で支払いを拒否された人は約25万人にも上り、未払い年金額は総額95億円にものぼっています。


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 政府は、社会保険庁の解体・民営化法案にセットして「時効特例法案」を提出しましたが、根本的な問題の解決策は示されていません。
 国民の年金受給権を守るためには、@「氏名、性別、生年月日」の3つの条件が部分的に一致する人も調査対象に加え、「同一人物の可能性がある人」にも、記録の中身を提供して解決を図ること、A国民に領収書の提出など、立証責任を押しつけるやり方を改め、何らかの手がかりがあれば年金支給の対象にすること、B社会保険庁の解体はしないこと、が最低限求められます。


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本紙にも県内の男性から次のような投書が寄せられています。「5年前に社会保険庁に出向いて、給付額の計算をしてもらいました。その結果、給付要件240月に対して、26月が不足しており約3万円ほど給付額が減額されると聞きました。今回の消えた年金問題で再調査をしたいと思い、社会保険庁に記録の照会をしました。その結果、年金記録の中で事業所名が記録されていないところが4カ所と、加入月数が2カ所で合計34月欠落していることがわかりました」として、社会保険庁への怒りの言葉が書かれています。
 政府は、こうした国民の怒りの声を真正面に受け止め、抜本的な解決を図るべきです。
以 上


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